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2023年 7月 26日

ヨウシュヤマゴボウの駆除実験

2年生が参加する増穂実習では、
野生生物や自然環境への理解を深め、科学的な思考やデータ収集の技術を身につけるため、
班ごとに、テーマに沿った計画を立案し、野外調査を行います。

今年の植物班の一つは、
「環境負荷の少ない外来植物の駆除方法の検討」
をテーマに、ヨウシュヤマゴボウの駆除実験に挑戦しています。

ヨウシュヤマゴボウは、全国各地の空き地や道端でみられる北アメリカ原産の外来植物です。
「ゴボウ」という名がつきますが、全草有毒で、海外では口にして中毒死した例もあるため、注意が必要です。

実験は、まず現状を知るところから始まります。
1m×1mのコドラートを30個設置して、植生調査を行い、
ヨウシュヤマゴボウを含め、区画内に、どんな種類の植物がどれくらい生育しているかを調べます。

背丈の低い小さな植物もあるので、地面にはいつくばって、地道に調べていきます。

続いて、処理後の形質変化をモニタリングできるよう、
ヨウシュヤマゴボウのシュートごとにIDを振り、高さや葉の枚数、葉の大きさなども記録します。
これまた地道な作業です。

最後に、チームのメンバーで出し合ったアイディアをもとに、
以下の①~⑤の方法で、ヨウシュヤマゴボウを処理します。
外来植物を駆除する場合、薬剤散布等の化学的な処理もしばしば行われますが、
今回は「環境負荷の少ない」ことがテーマなので、物理的な方法を検討します。
作業にかかった時間も計測しておきます。

①無処理(コントロール)
処理を行わず、そのまま放置します。

②葉っぱの除去
地上部の葉っぱだけを手でむしり取ります。

③刈り取り
鎌を使って、根元近くからシュートを刈り取ります。

④掘り取り
スコップで、根っこごと掘り取ります。実際に掘ってみると、太く深い根があることがよくわかります。

⑤遮光
農業用のマルチングシートで株をすっぽり覆います。

これら5つのパターンを比較することで、最適な駆除方法を評価します。

処理の実施後は、実験区に謎のオブジェが乱立しており、ちょっと異様な光景に・・・

今後、8月と10月に再び調査を実施する予定です。
果たしてどうなっているでしょうか。
結果が楽しみです。

(ふみ)

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