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2023年 6月 28日

憧れのキタダケソウ

実習の合間のお休みに、キタダケソウに会いに行ってきました。

キタダケソウは、その名の通り、南アルプスの北岳に咲く高山植物です。

北岳は、標高3,193m、富士山に次いで日本で二番目に高い山です。
その中で、キタダケソウが生育しているのは、標高3,000mの稜線上、
標高差1,500m近くの山道を歩いて、ようやくたどり着くことができる場所です。
また、花が咲いているのは6月下旬ごろで、梅雨の時期と重なっているのも厄介です。

そのため、おいそれと会いに行くことができず、それ故に、一度は直接お目にかかりたい、まさに憧れの花です。
先週末は、運よく梅雨の晴れ間にあたり、最高の好天の中で、キタダケソウの花を観察できました。

ピークを過ぎて、結実している株もわずかにみられましたが、
ほぼすべての株が花開いて、まさに満開のタイミングでした。

繊細な白い花びらが素敵です。

こちらの個体は、まだ花をつけていませんでしたが、
個性的な葉っぱが可愛らしいです。

キタダケソウは、北岳の固有種、

つまり、世界中でこの場所にしか存在しない貴重な植物です。
一部の個体群は、ニホンジカの食害に合わないよう、柵で大切に保護されています。

なお、キタダケソウは、予備知識がないと、
ハクサンイチゲという同じ場所にある白い花と、
しばしば混同してしまうことがあるようです。
写真は上がハクサンイチゲ、下がキタダケソウです。

より詳しく、特徴を比べてみましょう。

ハクサンイチゲの花(上)とキタダケソウの花(下)
キタダケソウの方が、たいていの場合、花びらの数が多いです。

ハクサンイチゲの葉(上)とキタダケソウの葉(下)
葉っぱの形も、キタダケソウの方がより細かく切れ込んでおり、ギュッと詰まっているような印象を受けます。

また、ハクサンイチゲ(上)は茎や葉に毛がたくさん生えているのに対し、
キタダケソウ(下)の茎や葉はツルツルしています。

北岳を訪れる際は、ぜひこれらのポイントに注目しながら、キタダケソウを探してみてください。
写真でみるよりも、実物は何倍も素敵です。

(ふみ)

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