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2018年 5月 1日

アフリカ実習報告(後編)

前編はこちら

アフリカ実習後半はサイの保護施設での活動とのことでしたが、到着した場所は想像していたのと違い、なんと山の中でした。ここから進む道は、どう見ても人里に続いている気配がありません。不安になりつつ車にしばらく揺られると、かなり厳重な電気柵が現れました。自動扉となっている場所から中に入ると、銃を持った警備部隊に監視塔、何重にも張り巡らされた柵などがあり、とても物々しい雰囲気でした。そう、この厳重な施設に守られているのが、絶滅の危機に瀕しているシロサイだったのです。訪れた施設ではCare for Wild Africa という団体が、密猟により孤児となったサイを野生復帰させるためにトレーニングを行っていました。

サイの角は東南アジアや中国などで漢方薬として利用されているのですが、体毛と同じケラチンからできている角にもちろん薬効はなく、今ではお金持ちが財力をアピールする目的で欲しがっているそうです。そして貴重なほど価値が高くなるので、サイの数が減るほど値段も上がるということからさらに密猟されるという、悪循環に陥っています。今では1頭分の角の価値が、数千万以上にもなるそうです。現に私たちが実習をしていた間にも、近隣の国立公園で4頭のサイが殺されてしまったそうです。

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この施設では、世界各国からボランティアが集まり、リハビリしたサイを野生に戻す試みが行われています。サイを飼育するには、厩舎の掃除やエサ運びなど、重労働をしなければなりません。また、親を失ったサイは心も傷を負っているため、繊細なケアも必要です。孤児となったサイはダニを落とす術など、本来親から学ぶべき生活の知恵も身についていないため、細かな観察や治療が欠かせません。その上に密猟も常に厳重警戒しなければならず、こうした保護団体の精力的な活動がなければ、サイは簡単に絶滅してしまうでしょう。実際、私たちが実習していた間にも、キタシロサイの地球上最後の雄が死に、事実上の絶滅となる悲しいニュースがありました。

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ここでの作業は、掃除やパトロール(山登り)、植生調査や除草作業など、地道な作業ばかりでした。でも、こうした地道で根気のいる活動があってこそ生物を守ることができるのです。それを野生動物がたくさんいるアフリカで直接体験できたことは、私にとってとても貴重な体験だったと思います(Care for WildのFacebookにも実習の様子が紹介されました)。

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ここではサイの他にもライオン、カバなどほかの動物も保護しており、日本の動物園ではありえない近さで見ることができ、作業の合間に癒されていました。

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長いようで短い2週間はあっと言う間に過ぎ、最終日に泊まったホテルでふと気づいたことは、この日まで、テレビのある場所にいなかったということです。でも、そんな不便さは実習中全く感じませんでした。TCEで学んでいると、テレビよりもずっと楽しいものが見られる、そんなことに最後に気が付いたアフリカ実習でした。

(野生動物保護管理コース2年 大橋)

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参考リンク(サイの密猟に関するページ)

WWF

National Geographic