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2022年 12月 22日

カトラリー作りのために、斧を手に入れた話

私は刃物が好きである。ナタから始まり、包丁やナイフ、肥後守、切り出し、マルチツールと様々な刃物を集め使ってきた。そんな刃物の中で最近まであまり注目して来なかった刃物がある。
斧である。

 もう20年以上も前になるが薪割り用に大型の重い斧を1丁、枝払い用に小型の斧1丁の計2丁を手に入れて以来、新しいものを手に入れることはなかった。
枝払いなどは鉈で事足りていたし、作業としての薪割りは、学校で導入したフィスカースが自前の斧よりも調子良かった。

枝払い用の小型斧はヒノキやカラマツの枝払いに使うことはあったが、作業中の携帯性が良くなく、徐々に使わなくなってしまった。
使わないので新しい物が欲しいという意識が起きなかったのだ。料理をしない人が良く切れる包丁を求めないのと一緒だ。

 ところが最近、カトラリー作りに使う手頃な大きさの斧を手に入れた。
木の枝や幹から、箸やスプーンの材料となる木片を削り出すのに使うのだ。

写真1 斧入手前に作ったスプーン
写真2 斧入手前に作った箸

今までは、手持ちの鉈で作業していたが、不満も疑問もなく作業できていた。
しかし、いつか削ろうと用意した材料(家人にはゴミに見える)が増えてしまい、作業(ゴミに見えなくする)の効率化が急務となったのだ。
斧でバスバスと外形を削り出せば、早く作業が進むに違いない。
カトラリー(写真1,2を参考)作りで使う斧は、大きな丸太をかち割る重たくてパワーのあるものではない。

材を削る(はつる)のに向いた軽く切れ味の良い薄刃の物、柄を除いた頭の部分が600g程の物がよく使われている。
最近はウッドカービング用とかグリーンウッドワーク用とかの500g未満のものも入手しやすくなった。

私の手に入れたものは越後三条打刃物で知られる水野製作所製、全鋼薩摩斧450g(写真3、4)というもの。
薄い楔に柄がついたような形をしている。軽量な斧によく見られる形状であるが、それよりも更に薄くシャープな印象である。

写真3 全鋼薩摩斧450g

写真4 水野製作所の刻印
写真5 刃の断面

刃の断面(写真5)だけ見れば、厚手の両刃鉈のようだ。

早速使ってみた。

 半年ほど前に伐採した、直径5センチほどのナツメの幹をノコギリで玉切し、切断面に刃を食い込ませてから軽く打ってみたところ、何の抵抗もなく半割れが出来た。
更に、余分な部分を斧で削ぎ落としてみたところ、特に問題なく思い通りの作業が出来た。
ただし、ナツメが細い事も有り、斧のポテンシャルを十分に発揮させることなく作業が終了した。

 斧で作業を進めてみて思ったのは、小さな材料に対しては斧を使う優位性はなかった。
使い慣れている鉈であれば、精密な切削作業に関しては斧を遥かに凌駕する。

斧の優位性が出てくるとすれば、もう少し大きい材料に取り掛かるときだろう。
しかし、今回入手した軽量の斧であるが、様々な作業に対応が可能であった。
切れ味については、箱出し使用の状態で程々の切れ味を持っていた。
研ぎ上げた後には相当な切れ味を発揮するのではないかと期待を持てた。

 この冬は斧との付き合いが増えそうである。

S田

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