平成25年12月20日(金)1年生向けに
新宿御苑で観察会を行いました。
この日は都内で初雪を観測した日。
なかなか寒かったですが、2班に分けて
時折雨が降るなか2時間位ずつ実施しました。
この観察会は、博物展示施設実習という教科の一環で
実施しているもので、ただ植物を観察して終わりということではなく、
施設の特徴や、成り立ち、管理のコンセプトなどをおりまぜながら
話をしていきます。
そんな中で、毎年ネタにしているのがこのスミレ。
(種不明(コスミレか、ヒメスミレか。はたまた全く違うものか。
これといった決め手がなく、同定できず。))
マツの’うろ’の中に生えているのです。
ドリルみたいに見えているのは、枝のついていたところの内側になります。
マツが同じ所から枝を出していくのがこれでもわかりますね。
通常日本のスミレの仲間は冬になると地上部は枯れるのですが、
これは南西方向を向いており日がよく当たる、また、うろに守られている
ということでなのか、枯れずに葉がついています。
うろは地上50センチほどのところにあり、近くにスミレの株はないことから、
果実がはじけて種が飛んできたことは考えにくく、他から誰かが
運んできたものと思われます。
スミレの種子にはアリが好む物質(エライオソーム(種枕(しゅちん)))がついており、
その物質欲しさにアリが種子を運んで、エライオソームだけ食べたら種子はポイされ、
そこで種子は発芽し分布を広げる、ということはよく知られています。
なので、もし仮にアリがうろに巣を作っていて、そこに種子を運んできて発芽。
毎年きれいなスミレの花がマツのうろから咲いている。
なんてことだとすると、ドラマだなぁ~と思うわけです。
(誰か人が種を投げ込んだ。ということがなければの話だが
(と、ドラマだなぁ~などと言いながら夢のない話をしてみる)。)
さて、この観察会にて年内の(学生向け)仕事は終了。
このブログもこれにて年内は終了となります。
年明けは1月7日ころ再開を考えています。
それではみなさま、良いお年をお迎えくださいませ。
(よ)
※学生さんに。
「良いお年を~」と言ってくれるのはいいんだけどさ、
いちおうあなたたちからすると教員は「目上の人」なので、
そういう人には「それでは、良いお年をお迎えください。失礼致します。」
くらい言えるようになっておきましょうね。