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2026年 2月 18日

2つのSVEA123

写真1

画像に有るのはSVEA123(写真1左)とSVEA123R(写真1右)である。123Rは代々木のアースデー会場で購入した物。123はS先生からいただいた歴戦の兵。どちらのものも私にとってはストーリーがあり、手放せない物となっている。

さて、私にとってのストーリーはともかく、この123(R)はどのようなものか。

1955年の発売から約70年、ほぼ変わらないレトロなデザイン。真鍮製ボディーが放つ艶めかしい輝き。重量は550gと持ち運びに苦労しない小型軽量。500mlの水を約4分で沸騰させる1300Kcalのハイパワー(私感)。燃料は(ホワイト)ガソリンで、氷点下での使用にも火力の低下は起こらない。燃料満たんで計40~60分の使用が可能である。火力調整には熟練の技(慣れ)が必要!更に、使用の度にプレヒートという楽しい(面倒な)作業が付いて来る。稼働初期は蒸気機関さながらの連続した噴射音を発して、自己主張が甚だしい。火力安定後は咆哮とも表現される燃焼音で、孤独なキャンパーを応援してくれる。と、道具好きにはたまらない魅力が満載である。

 長期間にわたり生産が続いている道具となると、道具好き心を刺激する様々なストーリーも付加されていく。このSvea123も例外ではなく、いくつかのストーリーが有名で有る。そのうちのいくつかを紹介したい。

123Rは改良バルブ

写真2

写真2画像に有るのはSVEA123(写真左)とSVEA123R(写真右)の火力調節バルブ(バルブスピンドル)である。違いがお分かりだろうか。

 スSVEA123(写真左)はバルブが下向きで、スベア123R(写真右)はバルブの向きが水平である。SVEA123Rは内部構造が改良され、ニップルの目詰まり防止の針が内蔵されている。この目詰まり防止機構が搭載された123Rは、1970年代後期以降製造のものになるので、 写真左のSVEA123は製造から少なくても50年程は経ったものである。

123(R)は刻印も見どころ

次は刻印である。

 私の持つ個体では大きく分かる違いはタンクの刻印である。

 まずはSVEA123であるが下の写真の様に『MADE IN SWEDEN』と刻印されている

写真3

しかし、123Rの方は下の写真4(見づらいがご容赦を)のように 『SWEDEN』となっている。

写真4

これは、生産コストを下げるために製造をスウェーデンから他国に変更したためである。

※現在の製品は台湾で製造されている。

この様に構造や刻印の違いなどで製造国や製造時期などを推察することもできる。

興味の無い方からすれば大したことは無いかもしれないが、愛好家には大きな違いとなってしまうのである。(私は好きなんだよ。こういうの。)

 この構造の改良には更にストーリーが有るのだ。

エネルギー革命とレジャー用途:時代に翻弄される123(R)

 まず、現在はOPUTIMUS社が販売しているSVEAブランドの123Rで有るが、元はマックスシーベルト社が起こしたブランド。そこで販売されていたSVEA123がベースとなっている。デザイン・構造の起源としては灯油燃料のケロシンバーナーとなるが、MAX SIEBERT社がSVEAブランドを1960年代にオプティマス社に売却・譲渡している。更にOPUTIMUS社は1963年にRADIUS社を買収しており、RADIUS社の持っていたクリーニングニードル機構を搭載した123Rを発売することができたのである。

このブランド譲渡や企業買収の背景にはエネルギー革命(転換期)があり、急激に電気やガスが整備され、生活用液体燃料製品の需要が急落したことがある。

 このような状況であったが、OPUTIMUS社はレジャー用としてSVEA123Rと共に、バルブやバーナー部に共通部品を使用しているOPUTIMUS8R(廃盤)という箱型ガソリンバーナーを発売し、バックパッカーから登山家まで、広い支持を得た。

※日本の大正時代には、厨房機器として液体燃料の燃焼機器が一部で使われていた。それらの機器は非常に高価で、昭和初期までは薪かまどや練炭七輪などが一般的であったようだ。

SVEA123で湯沸かしをしてみたところ、思いの他早く沸かすことが出来た。写真5が絶賛湯沸かし中のSVEA123の勇姿である。

写真5

 咆哮と共に吹き上がる水蒸気。なんとも絵になるではないか!(これを頼もしいと感じるか喧しいと感じるかは人次第、状況次第だろうね)

 サイズ・機能共にソロキャンプにはお勧めである。あなたもお一ついかが?

S田

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