2021年 6月 9日
ブラシノキの種子と果実
学校近くの猿江恩賜公園とその目の前の道路には、ブラシノキが植わっています。
名前の通り、試験管ブラシのような形の赤い花が印象的です。
これまで花にばかり注意を向けていましたが、
種子と果実も、なかなか個性的で面白いことに気がつきました。
木をよく観察してみると、やや内側の枝の上に、固いボツボツがあります。
何かの卵か、海岸の岩に貼りつくフジツボのようにもみえますが、
これがブラシノキの果実です。
中身はどうなっているのだろうと、気になっていたところ、
先日、知り合いから果実つきの枝を分けていただきました。
しかし、忙しさにかまけて、数日間、無造作に机の上にほったらかしていたら、、、
ふと気がついたときには、果実が割れていて、
一面、粉のように小さな種子だらけになっていました。
1つ1つの種子はわずか数ミリ程度です。
吹けば簡単に飛んでいきます。
ラン科植物の種子に似たサイズ感です。
これだけ小さい種子だと、その中に蓄えられているエネルギーは非常に少ないでしょう。
想像するに、ブラシノキが属するフトモモ科というグループは、
外生菌根菌と共生することが知られていますので、
足りない分のエネルギーを菌に頼りながら、発芽・成長しているのかもしれません。
原産地のオーストラリアでは、森林火災が起こると果実が割れて種子を放出するそうです。
機会があれば、今度は果実が割れる前に熱してみて、その様子をみてみたいものです。
(ふみ)