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2024年 10月 31日

ハードな革靴メンテナンス ホーキンスブーツを丸洗いの備忘録

写真1 ホーキンスブーツ 丸洗い前

久しぶりに革ブーツの丸洗いをした。備忘録として掲載する。

 写真のブーツは製造後約25年以上、入手してから10年以上の代物。このブーツの発見当時は今でも思い出すことが出来る。

 このときは洗浄を第一として中性洗剤で洗ってからハンドクリームを塗布し、更にミンクオイルを塗りまくった。油が抜けていた革靴はKiWiのミンクオイルを1缶近く飲み込んだ。洗浄時にはアンクルパッドの黒いコーティングが全剥離し、使用開始直後には革の劣化による割れが一部に発生した。

 そんな状態ではあったが、最近のブーツに見られる加水分解により起こるアウトソールの崩壊やソール剥がれもなくこれまで使うことが出来た。革に油が馴染んでからは様々なフィールドで活躍してくれた。

 履き込んでみて解ったのはソールの良さある。このソール、多様な環境下で程々のグリップを発揮するにもかかわらず、アスファルト路面での耐摩耗性が高いのだ。使い勝手が良いのでついついどこにでも履いて行ったが、その都度ヘビー級の私を支え続けてくれた。

 現行のシューズの多くはウレタン素材をふんだんに使い、柔らかくて軽く快適に作られているのだが、加水分解や何やらで長いものでも2~3年でソールがだめ(もろく崩れたり剥がれ落ちたり)になってしまう。

 私にはラバーソール以外の選択肢が無いのだ。

※飴色ラバーソールに見える一部のメーカーのソール素材は私が履かなくても大きく広がって剥がれるので、購入・保管などには十分に注意または覚悟をする必要が有る。また、最近話題に上がることが有る安価なアウトドアルックのシューズなどは発泡素材のソールが2ヶ月ほどで穴が空いた。

さて本題のメンテである。

用意するのは以下のものと、乾いた雑巾かタオル。

写真2 メンテナンスグッズ

写真2の左から

 靴底洗い用に、

  靴ブラシ、ピンセット、爪楊枝、歯ブラシ

 本体(皮革部分)の洗浄用に

  ボディーソープ(ぬるま湯か水で4~5倍に薄めておく)、柔らかいブラシ

 本体の保湿と油分の補給に

  ハンドクリーム、保革油(ミンクオイル)

これだけである。

手順は次のとおり(今回は後の天気が悪そうなので外側だけの洗浄にとどめた)

 靴紐は外し、外側全体を水で流して湿らせる。

 靴底洗いセットで靴底をキレイにする。挟まっている石などはピンセットで取り外す。

   爪楊枝と歯ブラシで、靴ブラシが届かないソールの細かい隙間を掃除する。

 次にボディーソープをブラシに付け、よく泡立ててから靴の外側に撫でるように塗り拡げる。

写真3 ブーツに泡を塗りつける

 汚れがひどい場合は、洗顔に使えるような柔らかいブラシか手のひらで軽く擦る。

 水かぬるま湯でボディーソープを洗い流す。

 軽く水を切ったら、乾いた雑巾かタオルを押し付けるようにして水分を拭き取る。

写真4 タオルで水分を吸い取る
写真5 乾燥開始直後のブーツ

 半日ほど乾かしてから、ハンドクリームを薄く全体に塗布する。

 乾燥の際は直射日光(熱線)や温風を当てないこと。扇風機はOK。

写真6 ハンドクリーム塗布後約半日のブーツ

 ハンドクリームを塗布後に半日ほど置いてから保革油(ミンクオイル)を全体に塗り込む。

 最後に靴紐を掛けシューキーパーを入れて通常の管理に移る。

写真7 保革油を塗り、靴紐をセットしたブーツ

 今回は内部の洗浄は行わなかったが、靴の内側が汚れてきたときやアクシデントで水没してしまった時等は外側同様に内側を洗うことも出来る。ただし、内部の洗浄をした場合は、革部分の乾燥以上に時間を掛けて靴内部の『芯材』を乾かせないといけない。作業日を選べるのであれば、数日先までの天候や乾燥場所の確保などの条件が整った時に行うと良い。靴内部の乾燥が十分に行えないと、最悪の場合は悪臭やカビの発生が起こることも有る。

 ワークブーツなどは汚れて当たり前だが、汚れたままでは確実にダメージ(経年劣化)は進行する。また少しでも長く使い慣れた道具に囲まれているためにもメンテナンスは欠かせられない。

 秋の夜長には道具のメンテナンスをお勧めしたい。

 ※道具のメンテナンスは、材質や構造をよく調べ自己責任で行って下さい。

S田

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