2018年 11月 5日
コウモリフェス in 三重県
10月に三重県で開催されたコウモリフェスティバルに参加してきました。
コウモリと言われても、ピンとこない方が多いと思います。
知っている方もいると思いますが、山奥は当然としても、実は新宿などの都会まで、コウモリは幅広く生息しています。都会まで生息している身近な生物ですが、闇夜を飛翔しているため情報が少なく、いまだに謎が多い生物でもあります。
【キクガシラコウモリ】
そんな中、今年のコウモリフェスティバルではコウモリの生態、食性、音声などの様々な講演があり、コウモリ保護施設の見学もありました。講演の中で、興味深い耳よりな情報をご紹介します。
※コウモリフェスティバルで生体の展示はありません。
~その①~
コウモリは人間の可聴音を越える超音波を使用して、エコーロケーション(※反響定位:動物が音や超音波を発し、その反響によって物体の距離・方向・大きさなどを知ること)という技術で、漆黒の闇をも飛翔することができます。イルカやクジラでも有名ですね。
コウモリの餌はコウチュウ類やハエ類やチョウ類などで、探すときは飛翔している個体をエコーロケーションで定位しています。イメージ的には一匹ずつ探して食べていると思っていたのですが、コウモリのエコーロケーション技術はもっとすごかったのです。なんと、コウモリは同時に複数の餌の位置を把握して、最適な採餌のルートを考えて飛んでいるらしいのです。コウモリの脳みその大きさは、親指の爪以下程度ですが、そのサイズでそんな複雑な情報処理をこなせているなんて、驚愕しました!
詳細が知りたい方はJSTに「コウモリが超音波で行く先を“先読み”し、ルート選択を行うことを発見」が記載されてますので、一読してみてはいかがですか。
~その②~
コウモリの糞分析の内容も驚きでした。コウモリは飛翔しながら餌を探索すると書きましたが、なんとコウモリの種類によっては糞からオサムシやバッタが確認されたという報告がありました。飛ぶ可能性があるバッタはまだしも、地上徘徊性のオサムシが餌として食べられているのにはビックリしました。今後の更なる調査によって、実はコウモリが地上を歩いて餌を食べていた、なんてこともあるかもしれません。
今回のコウモリフェスティバルに参加して、色々な新しい知見を得ることができました。皆さんも文化の秋、ということで講演会やシンポジウムに参加してみてはいかがでしょうか。
※コウモリを観察するときは
1.無許可での捕獲は禁止されているため、見かけても触らずそっとしておきましょう。
2.明かりに敏感な生物なので、ライトでずっと照らすのはやめましょう。
最後に、三重県名物「津ぎょうざ」です。手の平サイズでバカでかい!揚げているので、外はカリッとしており、食べるとギッシリ入った中身がジューシーでおいしかったです。
三重県に行ったら、赤福はもちろん津ぎょうざもオススメです。