2010年 3月 30日
協力隊まつり(第4回) -アフリカの国立公園で働く-
(※この記事は旧ブログのものです。表示崩れ等ありますがご了承下さい。)
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今日は教員(S)の“校外活動”のはなしです。
皆さんがもし野生動物の保護を始めることになったら、どんな人材を集めようとしますか?
野生動物の生態に詳しい研究者? 獣医師? 狩猟者? ・・・。
私だったら;
悪路の得意なドライバー
実はアクロバット飛行が好きなパイロット
何でもこなす土木技師
器用な大工、整備工
機械に強い無線通信士
編集も好きな映像技師
イラストレーター・編集者
弁護士・水泳のコーチ・計理士
などなど、でしょうか。
そして何といっても;
“自然が大好きで、自然のために働きたいと願い、野外生活を苦にしない、土木作業も得意で、動物の扱いに長け、記録が残せ、報告書が書け、基礎的な調査がこなせ、一人でも集団でも動ける、仕事に誇りを持ちたいと考えている”
「レインジャー」といわれる現場のプロをたくさんそろえたいと思います。
研究者や獣医師は特殊技能者で汎用性に欠けるので数人いれば充分かな?
日本は野生生物や自然の保護という産業分野(いわゆるワイルドライフ・セクター)がない、かなり特殊な社会構造の国なので、野生動物や自然の保護に人生を捧げたいと考える若い人達は、一流の生物系の研究者や獣医師にでもならない限り、道が開かないと思い込んでいるフシがあります。
実際には自然や野生生物の保護には多様なアプローチがありえます。
上に掲げた様々な技能者の例は、実はアフリカの国立公園の現場で実際に働く人達を挙げてみたものです。
意外と知られていないことですが、日本は世界(アジア・アフリカ・中南米他)の自然保護の現場に、青年海外協力隊という形で多くの人材を送り出し、貢献してきています。ザンビアの国立公園では30年近い協力支援の歴史がありますし、ケニアの国立公園に至っては既に40年近くの付き合いになるのですが、ここでの第1歩は自動車整備隊員の派遣でした。
教員(S)は、はるか昔ザンビアの国立公園に「生態調査」で派遣された協力隊OB(OVともいいます)ですが、ここにも「自動車整備」、「無線通信」、「建築設計」、「環境教育」などの協力隊員が派遣されていました。
様々な技能を持った人達から構成された専門組織によって維持管理されているアフリカの国立公園運営の実際を紹介し、一見縁の無さそうなアフリカの国立公園で、色々な専門・経歴の日本の若者が働いていることを紹介するミニセミナー「アフリカの国立公園で働く」が、4月4日(日)、13:00~15:00、JICA地球ひろば(渋谷区広尾4丁目2−24、日比谷線広尾)セミナールーム502号で開催されます。
セミナーの担当は教員(S)も所属する「ザンビア国立公園連絡会(PUKUの会)」です。
この会はザンビアの国立公園に派遣された生態調査隊員OBが中心となって発足し、ケニアの国立公園に派遣されたOBなども加わり運営されている小さな協力隊OB会です。
当日と前日3日(土)は「第四回協力隊まつり」が開催されていて、ミニセミナーはその催しの一つです。
“アフリカの国立公園で働くなんて面白そう!”
と思った方はぜひお出かけください。当日は世界中の協力隊OB達によるイベントも盛りだくさん、エスニック料理の屋台もたくさん出るはずです。
( https.joca://www.or.jp/content/festival2010/index.html )
3階の講堂にはブースもありますので、こちらもご覧ください。
最近は協力隊に参加する本校の卒業生も確実に増えてきています (私がそそのかしているわけではありません!)。昨年・今年と新卒参加者がいましたし、既卒者で人生の新たな可能性を求めて参加する人もかなりいるようです。
今年「環境教育」で参加することになった卒業生によれば、派遣前の訓練の一つである補完研修に参加したところ、研修担当機関の人から、「研修生の“環境工科率”が、最近は高い」といわれたそうです。
シメシメ。
(S)