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活躍する卒業生

さまざまな分野で活躍する先輩たちの仕事

仕事や学校の魅力について、
自然環境業界の第一線で活躍している卒業生に聞きました!

レンジャー

日本を代表する自然景観を誇る国立公園の管理や、希少な動植物の保護に直接関われることに魅力を感じ、この職に就きました。
私が所属する立山管理官事務所は、中部山岳国立公園のほぼ半分近くを占める富山県側の区域を管轄しています。公園内には立山室堂という山岳観光拠点があり、毎年国内外から多くの人が訪れます。多くの人に国立公園の魅力を知ってもらえるのは喜ばしいことですが、過剰な利用により、人間と野生動植物の間に軋轢が生じることも多々あります。そうしたときにその時々のニーズに合わせて、自然保護と利用のバランスを調整するのが私の務めです。

また、公園管理には多くの人が携わっているので、その連絡・調整の役割も担っています。自分が地域の施策に関わることで、環境の保全や、公園利用者の安心安全の一助となっていることが何ものにも代えがたい喜びとなっています。 高校時代は山岳部に所属していたので、憧れていた北アルプスのレンジャーとして、山に登れることも嬉しく思っています。

TCEでの質の高い数々の実習体験はもちろん、それ以上に様々な年齢の同級生と心ゆくまであらゆる議論を交わしたことが、日々の業務の中で役立っていると感じます。
というのも、自然を守る仕事は自然との関わりも大事ですが、そこに携わる人たちとのコミュニケーションが大事になってくるからです。今後も人間と自然との仲介役として、豊かな自然を次世代につないでいきたいと思います。

アクティブ・レンジャー

環境省のアクティブ・レンジャーとして国立公園の巡視、自然環境モニタリング、イリオモテヤマネコやカンムリワシなどの希少動植物の保護、外来種駆除や観察会のイベント企画など、自然環境保全から利用の推進まで様々な業務に当たっています。
西表島は令和2年3月現在「世界自然遺産」候補地ですが、遺産登録をきっかけに今ある問題を解決すべく、地元行政や島の人と連携しながら日々仕事をしています。遺産登録という島の転機に、今まで停滞していた活動を活発化させ進めていく経験は、他では味わうことができないやりがいを感じています。

将来は現在の経験を活かして、西表島の自然を持続的に感じられるよう活動していきたいと思います。

自然保全員

都市に住む子ども達にも森との関わりを持ってもらうために、NPO法人時ノ寿の森クラブでは多彩なプログラムを実施しています。森の心地よさを感じてもらい、森の多くの命に触れ、森の大切さを知ってもらえるような活動を展開しています。
ガイドウォークを実施した際、参加者がふと、森の気持ちよさや地域の文化・歴史を知って、納得の表情を見せてくれることがあります。帰り際に満足そうな姿が見られるのは、とてもうれしいです。

TCEでは自然を守り、未来に引き継いでいくためには、その価値を人に伝えることが大切であると教わりました。
自分自身が自然を守るためのプレイヤーとして活動するだけでなく、自然の価値を多くの人に理解してもらえるような活動をしていきたいです。

インタープリター

大学卒業後に損害保険会社に勤務しましたが、自分が好きな自然を通して、人に驚きや発見を促すインタープリターになりたいと思い、TCEに入りました。 「リードクライム株式会社」でのインターンで、親子向け自然体験事業の企画・サポートを経験したことで、環境教育の具体的なイメージがつかめました。現在の仕事内容はフィールドのガイド、JICA等への研修、地元企業との森づくり事業など、多岐に渡っています。

仕事によって出会う人、価値観、進め方などが異なるので、日々新鮮で刺激的な学びを得られると同時に、大きな使命感と心の底からワクワクを感じています。

公園スタッフ

西武造園株式会社が運営する小田原フラワーガーデンで、イベントの企画運営などを担当しています。入社して約3年ですが、通勤途中に近所の子どもたちから「フラワーガーデンのお姉さんだ!」と、声をかけられるのがうれしいです。
当園は園芸植物の品種がとても多いので、ガイドツアーで対応できるように日々勉強しています。約10~20名のイベント参加者は年齢層も知りたいことも人それぞれ。

TCEの環境教育の授業で学んだ知識を応用して、参加者の反応を見つつ内容を変えるなど工夫をしながら、分かりやすく、少しでも深く植物に興味を持ってもらえるようなイベントの進行に励んでいます。

自然学校スタッフ

もあなキッズ自然楽校では、子どもたちの自然体験活動を通して、生きる力を育む環境と機会を提供するとともに、子どもが子どもらしく過ごすことのできる環境を守るための社会活動を展開する活動に取り組んでいます。

TCEの実習などでは高校生以上の大人を相手にしたインタープリテーションが多かったのですが、もあなでの実習を経て、変に壁を作ったり駆け引きをしたりすることなく、よりピュアな人間同士のかかわり方ができることに魅力を感じています。
TCEの1年生のときにインターン実習生として、野外活動のスタッフを経験したことがもあなとの最初の出会いでした。

これからも、ここもあなで子ども一人一人の考えや主張を尊重・保障する、“見守り”を大事にしていきたいです。

野生生物調査員

建設環境のコンサルタント会社で、橋、港などの構造物の調査や、水、土壌、森林、動物などを含めた自然環境の調査を行い、その結果をクライアントに報告する仕事をしています。
月1回干潟でアサリを採取する環境調査では、潮の満ち引きで時間が制限される中で成果を提示することができ、クライアントの信頼を得ることができました。自分が行った業務が評価され、また依頼を受けたり、指名されたりすると、やりがいを感じます。TCE で学んだ知識はもとより、実習で身につけた集団生活での協調性が役立っています。自然と人間が共存できる環境プランを提案していきたいと思っています。

野生生物調査研究員

日本鳥類保護連盟には「普及啓発室」と「調査研究室」があり、私は調査研究室に所属しています。主な業務は、省庁や企業から依頼を受けて、鳥類の生息状況を調査しています。
また、国際協力事業としてフィリピンやネパール等の猛禽類保護のための調査やエコツアーの支援も行っています。その他にも多岐に渡る調査・研究を行っています。

子供頃から野生生物が好きだったので、仕事で多くの生物が見られることが一番のモチベーションになっています。もともと野鳥の知識には自信があったので、TCEでは植物の知識を重点的に養いました。机上だけではなく、実習やインターンを通じて、自然に関わる仕事を実践できるのがTCEの魅力だと思います。

環境・建設コンサルタント

私は、環境・建設のコンサルタント会社で働いています。生活環境や騒音・振動等の生活環境調査、魚類や鳥類、哺乳類などの自然環境調査を行っており、それらの調査結果を集計・分析し、クライアントに報告しています。
調査結果の報告で参考事例等を示す際に、専門学校での特別授業などで学んだ内容が役に立っています。

また、学生時代に鳥類班で培われた同定能力も調査現場で活かされています。効率よく仕事を進めるため、そしてよりクライアントに満足して頂くために、日々勉強することばかりです。
現在は、豊富な知識を身につけて自分の考えや意見を、自信を持って提案できるコンサルタントを目指しています。

野生生物調査研究員

株式会社アトラス・グリーンで、幅広い生物相における環境調査データをまとめる仕事をしています。
フィールドでは酷暑、厳寒と大変なことも多いですが、出会いと発見の連続です。珍しい動植物が確認できたときや、初見の動植物を観察した時は、とても胸が高鳴ります。

またフィールドに出る前の、生物相についての下調べも重要です。重要種の詳しい写真や、類似種との識別点を資料にまとめます。
この資料を調査員の方々と共有することで、調査活動の精度を高める取り組みをしています。今後も様々な経験を積み、動植物に関する深い見識を身に付け、より精度の高い自然環境調査を行える人材に成長できるように日々努力していきたいと思います。

野生動物リハビリテーター

環境省釧路湿原野生生物保護センター内に拠点を持つ、猛禽類医学研究所にて研究員として勤務しています。
猛禽類医学研究所では傷病収容、または息絶えて収容された個体の収容原因を探ることや現場で調査をすることで、環境で起きている異変や私達人間が与えてしまっている影響などの問題を紐解き、具体的な対策の提案と実行を試みています。

これらの業務に取り組む際、TCEでの授業・実習において学んだ知識・技術が直接役立っています。
猛禽類を診察する際には、野生動物リハビリテーション実習で学んだ保定技術、現場での生態調査では増穂実習を通して学んだ調査技術や調査データの取りまとめの方法、生息地データなどを取りまとめる際にはGIS演習の知識が役立っています。終生飼育個体や傷病個体の飼育業務では、猛禽類たにも個性があることにも気付かされました。特に終生飼育個体であるシマフクロウのちびは、餌の好き嫌いがあり、餌が気に入らないと嫌な表情をしたりします。
好物を差し出すと足早に駆け寄ってきます。そんな愛くるしい様子を間近で見られると北海道の寒さは厳しいですが、「よし、頑張ろう!」と思えます。

僕が仕事をする中で一番のやりがいを感じられる瞬間は、収容された個体を放鳥するときです。さらに個体によってはGPS発信機を取り付け追跡調査が可能となっており、放鳥後もしっかりと生活できているか、どのような飛翔経路で繁殖地に戻っているのかなど、徹底した個体管理もしています。何千キロも離れた繁殖地まで自力で戻り生活していることを確認できたときは感激です。
これからも生息地環境の改善など希少種に関する問題解決や、普及啓発活動に取り組みながら、生まれ育った北海道で絶滅の危機に瀕している野生動物を危機的状況から救いたいと思っています。

森林官

国有林野を管理することで、森の生き物に関わりたいと思い、林野庁に入りました。現在、所属している治山事業所では、土砂崩れを起こした山を復旧したり、地すべりを防止する工事の監督業務にあたっています。
土砂崩壊現場に行くと、地下水位が高い場所や土壌水分を多く含む場所に生息する植物をよく見かけます。同じ植物が生えている場所を探し、地形と照らし合わすことで、次に崩落が起きそうな箇所の予測に役立てています。
就職後に先輩に教わった土木の知識と、TCEの実習で学んだ生態学や植物についての知識を活かしながら治山事業を進めています。

治山事業は文字通り“山を治す事業”なので、周辺環境への影響を最小限に抑えながら、いかに最大限の効果を得られる方法で山を治していくかを、委託している調査業者や施工業者と一緒に考えていくところが面白いです。
また、その成果が分かるのは森林が回復する数年から10年後くらいになるので、長い目で見た判断が必要になります。

就職して最初に担当した新潟県長岡市妙見地区の現場が、数年後に無事回復していると、当時一緒に担当した業者から教えてもらったときには、達成感を得られました。
治山事業は山奥で行っていることが多く、あまり知られていない仕事ですが、土石流や地すべりなどの災害から国民を守るための大事な仕事だと誇りを持っています。今後も現状に甘んじることなく、必要なスキルを身につけ、国有林野を守っていきたいです。

ネイチャーガイド

卒業直後から、長野県上高地でネイチャーガイドとして働いています。ガイドはフィールドの魅力を知り、それをお客様一人一人の興味に合わせて紹介する仕事です。
そのためには多くの引き出しを持つことが必要で、TCEで様々な知識を体系的に学べたことは、今も自分のガイドの基礎になっています。

2011年からはガイド部門の統括を務め、ツアーの安全管理や満足度の向上、スタッフ研修制度の確立、海外からのお客様の受け入れや地域との協働など、仕事の幅は年々広がっています。
何をするにおいても、人との出会いや繋がりの大切さを実感する日々で、フィールドを通じた出会いの輪を、今後より一層広げていきたいと考えています。

植栽の維持管理

大学卒業後、一般企業に勤めましたが、元々好きだった自然に携われる仕事に就きたいと考えTCEに入学しました。学ぶうちに、全ての生物に必要な植物の管理を仕事にしたいと考え就職を決めました。

現在は、都内のマンションや商業施設の植栽を管理しています。現場の巡回や木の剪定、薬剤散布などが主な作業内容ですが、段取りや指示出しをするのが当社の業務で作業自体は業者に任せる形が多いです。 管理作業の際には植物種が分からないと何もできないので、実習で行った同定作業が役立っているなと感じます。また、通行者の方から「いつも綺麗にして頂きありがとうございます」と声をかけて頂いた時には嬉しく感じます。

今後はさらに勉強と経験を積み、人と生き物が共存できる環境づくりを提案できるようになりたいです。

事務職

私が勤務する水ingAM株式会社は、公共上下水道などの水インフラ施設や、商業施設・工場の水処理施設において、日常の運転状況の確認、修繕や予防保全などを通じて、水を守る活動を行っている会社です。
私はここで事務職として勤務しており、労務管理や営業事務、採用業務に日々取り組んでいます。野外での活動が主だった学生時代とはがらっと変わり、毎日パソコンと向きあっての仕事となり、TCEのPC演習授業で学んだ知識が役立っています。

日々の業務では、営業担当者のサポートから、求人応募者との調整など、人と関わる仕事がほとんどです。
在学時には人と関わることが苦手だった私ですが、今は少しでも他の方が働きやすくする為には、どういった工夫ができるかなどを考えながら仕事をすることにやりがいを感じています。