現場で通用する「自然とともに生きる」知恵と実力を身につけることを目指して
「自然が大好き」「野生生物のことをもっと知りたい」・・・東京環境工科専門学校(TCE)の扉をたたくには、これだけで十分かもしれません。けれども日々の学びや体験を続けていく中で、末永く自分の生活や仕事の中に自然を取り込み、自然とともに生きていこうとするならば、より多くの様々な知識や技術が必要であることに気付いていくでしょう。
今我々は、地球規模の気候変動や生物多様性に対する危機に向き合い、より良い判断に基づき行動を起こさなければならない局面に立たされています。自然は私たちに大きな恵みを与える一方で、人智を超えた災害をもたらし、人類の働きかけに対して手痛いしっぺ返しを行うこともあります。だからこそ我々には、自然の仕組みや理(ことわり)についてより多くのことを学び、考え、謙虚に対処していく態度が求められているとも言えましょう。
本校では「講義-実習-体験(インターンシップ等)」のサイクルを通じて、個々の知識や技術をさらに高いレベルに磨き上げていきます。いわば机上の空論ではなく、現場で通用する「自然とともに生きる」知恵と実力を身につけることを目指すのです。特に延べ60 日に及ぶ黒姫、増穂、屋久島での実習は、本校学生の誰もが通過する最大の魅力あるプログラムであり、ほとんどの卒業生が最も思い出深い経験だったと語ってくれます。
本校が、自然環境関係のコースを開設(1994 年)してから四半世紀。多くの先輩たちがそれぞれの道を切り拓いてきました。それらをトレースしてみるのも良し、誰もが辿っていない道にチャレンジするのも良し。必要なのは、皆さん一人ひとりの「やる気」と「努力」。それさえあれば、豊富な経験と熱意にあふれる講師陣が皆さんの夢の実現のために全力で応援し、後押しします。
自然とともに生きるー専門学校での取り組みから
(公益社団法人 日本教育会 月刊 日本教育2018年8月号 特集「自然の中の人間」より転載)
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笹岡 達男
環境省(旧環境庁)で自然公園(国立公園)、野生生物の保護管理、自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)などの行政実務に従事。阿蘇くじゅう国立公園、上信越高原国立公園、中部山岳国立公園などでの現場勤務経験も豊富。環境省生物多様性センター長、国立公園課長、林野庁研究・保全課長などを歴任。
専門
林学(造園)、技術士(環境部門)