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2019年 9月 11日

北海道プログラム – 森づくりを学ぶ

前回に引き続き、北海道プログラムの様子を紹介します

北海道プログラムのキーワードは・・・
1. 北方の動植物(前回)
2. 持続可能な天然林施業
3. アイヌ文化

今回は2つ目のキーワード「持続可能な天然林施業」についてみていきます

2. 持続可能な天然林施業

普通、林業というと、スギやヒノキが人の手によって植栽された人工林をイメージすることが多いと思いますが、今回の実習先である東京大学北海道演習林は、国内では珍しく自然の力で更新する天然林で木材生産を行っています

木材生産だけでなく、環境保全による公益的機能との両立を図ること、
現在から将来にわたっても森林の機能が十分に発揮され続けること、
を目的としており、産業としての林業はもちろん、
人と自然・生き物の共生を考える上でも大変興味深い場所です

実際に技術職員の方々に現地を案内していただきながら、
どのような森づくりが行われているのか、
森の見方や管理のために必要な技術等について学びました


林内には、所々に強風によって倒れた木がみられます

このような倒木が次世代の木々を育む重要な役割を果たしています

倒木の上では、地面にに直接散布されるよりも病害のリスクが低く、
林床を覆うササとの競争を回避できるため、実生が生き残れる可能性が高いのです

演習林では、基本的に皆伐を行うことはなく、
定期的に調査を行い、将来の森の姿を考えながら、職員が伐採する木を一本一本見極めています
このような管理を行うためには、様々な木が混生する中、即座に種類や健康状態を見分ける技術が必要です


写真左から、トドマツ、エゾマツ、アカエゾマツ
森の見方の基本として、主要な樹種を樹皮で見分ける方法も教わりました


クマゲラ(キツツキの仲間)が穴を空けた木もみられました

クマゲラの存在は林業的にはマイナスなのではないか、という学生の質問に対し、
「確かにマイナス面もあるが、この演習林がクマゲラをはじめ多様な生物が暮らす森であることに胸を張りたい」
こう語っていた林長の言葉が印象的でした

つづく – 3. アイヌ文化 へ

(ふみ)

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